2002年度 OBランレポート

by 田中(H10卒)


【序】
 例年OBランの幹事といえば、入学から数えて10年目の代の人が任命されるのですが、2001年伊豆のOBランに10年目に
なられる(香山さんの代の)方がいらっしゃらなかったので、1つ飛ばして9年目の私が幹事長に仰せつかりました。
 一昨年が黒姫、昨年が伊豆だったため、今年はもっと西で開催したほうがよいのではというご意見をいただきましたが、私は
長野県茅野市在住でして、地の利を生かして中信(信州中部)でのOBランとなりました。遠いにも関わらず、関西方面からも
多くの方に参加していただき感謝しております。
 コースはほぼ私の独断で決めさせていただきました。このあたりは道が狭く、交通量が多いので、コースは必然的に山道に
なってしまいました、というのは口実でして私の趣味が多分に含まれております。ドンパと下見はしたのですが、車だったのが
よくなかったようです。雪のある時期だったので、やむを得なかったのですが、やはりきつかったようです。



【1日目】5月31日(金)
塩尻駅(気圧計が示した標高:735m)-善知鳥峠(892m)-小野駅(828m)-しだれ栗森林公園(1000m)-小野峠(1106m)-勝弦峠
(1065m)-塩尻峠(1038m)-釜口水門(798m)-赤彦旅館(788m)
走行距離:39.35k
天気:曇り

 いよいよOBランの始まりである。天気は曇りだが雨は降らなさそう。寮で準備をしていると、若林さん夫妻(共にH8卒)からお
電話があり、お子さまの具合が悪くキャンセルされるとのこと。せっかく山形県の酒田から塩尻を目指して新潟まで移動され
ていたのですが。

 12:00にちょっとだけ遅れて集合地の塩尻駅に到着。特急「あずさ」などで、門岡さん(S53卒)、中村さん(S53卒、以下天皇
さん)、松下さん(S53卒)、松下さん(H6卒、以下Dさん)、後上(H10卒)、山口(H11卒)が集まる。
 Dさんが松下さんに「H6卒の松下です。」と自己紹介したいたのがおもしろかったです。松下さんの自転車はデュアルコントロ
ールレバー付きの緑色のスポルティーフをお披露目とのこと。
 香山さん(H9卒)は善千鳥峠(私は「ぜんちどり峠」と読んで門岡さんに笑われました。「うとう峠」なんですね。)あたりで合流
するという連絡が入りましたが、いくら待っても来ないので、戻って来られて塩尻駅で無事に合流。
 残るは、福井さん(S63卒)と同乗している槙(H10卒)でしたが、何とか到着。1年に1度しか乗らないという福井さんの自転車
は、キャリアやブレーキが微妙なバランスの上に取り付けられていました。
 出発写真を撮って予定より45分遅れの13:15、10人が塩尻駅を出発しました。

 山口君をトップにR153を南下。道が狭く交通量が多かったので走りづらいなか善千鳥峠を越える。このとき私は福井さんの車
で伴走し、小野駅で待っていたのですが、盗難警報装置を作動させてしまい、一人でうろたえておりました。国道を離れて、ここ
から旧中山道(中仙道)へ突入し、しだれ栗公園へ。ここで小休止。
 しだれ栗公園の手前に「日本中心の標」への道案内があり、話題になりましたがダートでの登りで6kmくらい離れているため
断念。その代わりに先のほうに展望台と書いてあるので、そちらに行こうかという話に。ただ、その話が徹底されていませんでし
た。
 私は車で先行し展望台を確認したのち、入り口でトップのはずの山口君を待っておりました。山口君よりあとに来る人に指示を
出し、小野峠の展望台へ向かう。曇りでしたが辰野と諏訪がよく見えました。
 記念写真を撮って、展望台から降りようとすると誰かが来る。香山さんだ!トップだと思って山口君を待てばいいと思っていたの
ですが、香山さんが先行していたようです。いくら待っても来ないので、戻って来られて、展望台を見つけ出したようです。大変失
礼いたしました。
 小野峠から勝弦峠までは稜線上で、勝弦峠は鞍部にあたります。反対車線に渡ると諏訪湖を一望できました。舗装路を離れ
て塩尻峠を目指して怪しげなダートに入る。最後に激下り坂があり、多くの人をびびらせていました。塩尻峠で旧中山道と新中
山道が合流します。厳密には新中山道の峠はもうちょっと先の旧塩尻峠になりますが。
 R20を諏訪湖まで下り、釜口水門で一休み。湖畔のサイクリングロードをのんびり走って宿である赤彦旅館に到着。この日の
行程を無事に終えました。宿にはすでに篠原さん夫妻(S62卒、H3卒)中村さん夫妻(H2、以下朋さん)が到着されてました。

 赤彦旅館の向かいには、自転車の片倉シルクと縁の深い片倉館があり、千人風呂というプールみたいなお風呂があり、みな
さん入浴に行かれたようですが、私は車の回収とお酒の買い出しのために、今回も入れませんでした。実は前回は大学1年の
秋に個人ランで来た時に入ろうとしたのですが、営業時間が終わっていたために入れませんでした。どうも縁が無いようです。
 宿には、原哲三さん(S54卒)、高木さん(H4卒、以下てんたさん)、板垣さん(H6卒、以下マニラさん)、深瀬さん(H6卒)、富岡
さん(H7卒、以下さびいちさん)がいらっしゃいまして、19人での宴会となりました。残念ながら吉岡さん(H1卒)は来られなくなっ
たとのこと。
 恒例の下の代からの自己紹介があり、恒例の朋さんのゲームも始まりましたが、みなさん走り疲れたのか、1日目ということも
あり、夜は比較的静かに更けていきました。



【2日目】6月1日(土)
赤彦旅館(797m)-諏訪大社上社本宮(788m)-上諏訪駅(786m)-諏訪大社秋宮(815m)-木落坂(928m)-八島湿原(1649m)-霧ヶ峰
山荘(1665m)
走行距離:49.45km
天気:晴れ

秋宮-八島湿原間(距離:16.51km、標高差:834m、平均勾配:5.05%)

 天気は晴れ。朝ご飯は8時からだったと思いますが、起きてこない(これない)方も数名いらっしゃいました。
 宿泊組がうだっている間に、仙台から川越(H10卒)と京都から土田さん(S53卒、以下ツッタさん)が合流。ツッタさんは、前日か
ら参加の予定でしたが、都合がつかず、予定通りこの日のうちに帰られるとのこと。自転車は重たいの持って来ずに、せっかくだか
ら茅野駅で降りて、上諏訪まで7kmほど歩かれたそうです。川沿いのいい道を見つけて歩こうとしたら車に鳴らされたとおっしゃっ
てましたが、あの道は事実上、自動車専用道路になっております。普通、堤防の道と言えば、ジョギングやサイクリング用ですが、
そこすら車道にしてしまうほど、こちらは土地が無いのです。

 希望者のみで9時半に宿を出て、諏訪湖畔を通って諏訪大社上社本宮へ。諏訪大社は御柱祭りで有名ですが、上社本宮、上社
前宮、春宮、秋宮とあります。お参りしたあと、おみやげ屋さんでビールを飲む人、ソフトクリームを食べる人、ところてんを食べる人
などいました。
 宿に戻り、お昼ご飯。宿には中標津在住ですが、現在、筑波に長期出張中の酒井さん(H4卒、以下はかせさん)がいらしゃって
いました。
 集合地点である上諏訪駅へ移動。ここでは、ちはるさんと雅浩君と共に白木さん(H7卒、以下Nayoさん)、原邦夫さん(S54卒)、
矢島さん(H7卒)、村上さん(S57卒、以下アニーさん)、岩城さん(H7卒、以下どてさん)、千崎さん(S54卒)、千葉さん(S56卒)、
2日くらい前に突然参加すると言ってきた藤(H12卒)が合流。小濱さん夫妻(共に、H7卒)は都合がつかず来られませんでしたが、
ここで一気に32人の大集団となりました。
 諏訪湖畔を通って、諏訪大社秋宮へ。境内を散策してお参りをしたのち出発。秋宮は日本橋から始まる甲州街道の終点にあた
ります。そしてここから再び中山道、現在のR142へと突入します。
 ここから先はひたすら上りです。八島湿原までの16.5kmの区間で標高差は834m、平均しても勾配が5%あります。
 国道を3kmほど上ったあと、東俣川沿いの県道八島高原線に入ります。入ってすぐに御柱祭りの御柱を山から運ぶための「木落
坂」があります。こんなところを丸太に捕まって滑り落ちるので、下手れば逝ってしまうのもうなずけます。
 国道は交通量が多かったのですが、こちらの道は車がすれ違うのがやっとという細い道で、いかにも田舎道と言った風情でのん
びり走れます。坂さえなければ、ですが。伴走車もついて来られないので、私は1.5lのペットボトルを2本、担いで上りました。
 坂となれば最初にゴールを切りたいというのがクラブ員のサガでしょうか。矢島さん、香山さん、山口くん、はかせさん、泡さん、
どてさん、槙あたりが熾烈なバトルを繰り広げていたようです。
 休憩中、門岡さんの自転車に目をやると、ロードレーサーだと思っていたら、リアディレラーが無い!しかも単にシングル(フリー付
き)ではなく、完全な固定!足は、上りも下りも常に同じギア比で、常に回り続けるということですね。実際に乗らせていただきまし
て、100mなら乗れますが、上りはもちろん下りは...。これでここまでのコースを走られ、これからの下りを走られると思うと、恐れ入り
ますの一言に尽きます。門岡さんの今回の旅?はシンプル(でよかったですか?)がテーマで、サドル下の輪行袋とレーサージャー
ジのポケットの荷物という軽装でした。宿に着いたら浴衣を着て、洗濯というのが鉄則みたいです。
 途中、篠原さんがパンクするというトラブルもありましたが、ここぞとばかりにみなさん休憩しておられました。
 八島湿原に到着してオーラスを待っていると、今回は車に同乗で参加しているはずのアニーさんがなぜか自転車で登って来まし
た。それは原哲三さんの自転車のようで、原さんは自転車を降りて景色を見ながら、若い女の子(!?、=後上)と歩いて来たそう
です。
 このコースは初めて自転車で登ったので、途中本当にこんなコース大丈夫なのかと心配になりましたが、無事に全員が登り切る
ことができました。
 八島湿原を巡る時間はありませんでしたが、展望台から眺めて、記念撮影。このあとはビーナスラインを通って宿に行くだけ。今
までは、両側を木に覆われた狭い道だったのですが、こちらはスカイラインという言葉がふさわしい、開放的な高原道路でした。

 宿まではあっと言うまでした。さびいちさんは高校の頃に部活の合宿で霧ヶ峰に来ていたらしく、懐かしいとおっしゃってました。
 宿である霧ヶ峰山荘なのですが、会社の健康保険組合の保養施設であるため、会社の自営消防団の合宿で毎年お世話になっ
ておりました。消防の飲み会も結構飲むのですが、私をご存じの方であれば、どういう結末になってるか想像がつくことと思います。
ここならOBランも大丈夫だろうと目をつけておりました。
 霧ヶ峰山荘にはもう一つトピックがありまして、管理人さんの息子さんが、世界一周をされた待井剛さんなのです。体育館みたい
なところにパネルが展示されているのをごらんになった方もおられるでしょう。しかも、40名近い宿泊をお願いしたため、管理人さん
ではまかない切れず、剛さんも手伝いにいらっしゃっていました。これでアフリカ、南米と走った藤は感激してしまいまして、是非と
も話がしたいと言っていたのですが、残念ながらうまく時間が取れませんでした。私も残念でした。
 宿には望月さん(H5卒、以下もちくびさん)と新津さん(H5卒)が車でいらっしゃいました。この後の飲み会では一つ上のてんたさ
んに「車で来るとは何事だ。俺はそんな風に育てた覚えはない」とお酒をいただいていました。
 お風呂に入って一休みした後、お待ちかねの食事と宴会です。恒例の下から順に自己紹介ですが、「私事ですが、」の枕詞のあ
とに「結婚します」が続くのですが、私を皮切りに、矢島さん、深瀬さん、Dさんとおめでたい話が続きました。Dさんの婚約者(当時)
の写真を見せていただきましたが、日本人かと思えばモンゴルの方だそうです。何はともあれおめでとうございます。某氏の「こう
いう話ばかりじゃ、刺激が強すぎて同期を呼べない」というお言葉が心に残っております。
 2002年はサッカーワールドカップの日本開催に沸いた年でしたが、原哲三さんはそのTV放映の担当者だそうで、お忙しいところ
を参加していただいた上に、長い坂道を自転車を押して登る羽目になったようです。
 今回の最長老?港CCでご活躍の天皇さんからは、今回のコースは別働隊を建てる必要の無い素晴らしいコースだとお褒めの
言葉をいただきました。全員が同じコースを走れるのはいいことだと思いますが、みなさんどうでしたか?年に一度くらいは、あの
頃を思い出すよなホットなコースも楽しいと思っております。
 他にもみなさんは各方面でご活躍されており、いろいろと楽しい話が聞けましたが、紙面の都合ではなく、記憶の都合上この辺
で控えさせていただきます。

 来年のOBランの幹事の発表ですが、誰しもが予想したとおり(私がリークしていた?)、H9卒の香山さんとなりました。香山さん
は静岡県磐田市在住。奥茶臼山やしらびそという言葉が聞かれたような...。詳細は覚えていませんが、今年のようなゆるくないコ
ースになる可能性が高そうです。
 食事も一段落し、会場は食堂から畳の広間へ。こちらでは恒例の朋さんのゲームを始め、様々な人間模様が見られました。おつ
ぶれになられる方がいらっしゃったり、荒れそうになったり(私もその一人です。すみませんでした。)、いつまで経っても変わらない、
HUCCの原風景が眼前に繰り広げられていました。



【3日目】6月2日(日)
霧ヶ峰山荘(1653m)-車山肩(1813m)-大門峠(1469m)-北山湯川(1006m)-茅野駅(831m)
走行距離:36.30km
天気:快晴

 この日は快晴で本当にいい天気でした。前日の飲み会にもかかわらず、健脚組の天皇さん、門岡さん、千崎さん、松下さんは
スズラン峠を通って、麦草峠(日本の国道最高所:2127m)を越えて帰られるとのことで、集合写真を撮ったあと9:30に出発され
ました。素晴らしいの一言です。それ以外の方は10:00に霧ヶ峰山荘を後にしました。

 少し登ると車山肩があり、ここで散策しました。車山肩はニッコウキスゲが有名で、7月中旬の開花期は一面の黄色い花に圧
倒されます。その時の車の渋滞も半端じゃないです。自転車で来るに限ります。
 少し下った駐車場でまた休憩。残念ながら富士山までは見えませんでしたが、ここからは南アルプスがよく見えました。
 あとは迷子にならないようにひたすら下るだけです。数字で見ると1000mのダウンヒルなんですね。
 ビーナスラインから大門峠を経てR152に入り、北山湯川から上川沿いの道に入り車を気にせずのんびりとサイクリング。そして
茅野駅まで下って12:45に到着。集合写真を撮って13:00に解散となりました。



【終】
 2002年のOBランも事故もなく無事に終わることができ、ほっとしております。ほっとしすぎたためか、このレポートは2003年の1
月に書いております。よろしくないですね。
 今回は北は宮城から、西は兵庫と日本全国からOBの方にお集まりいただき、改めてHUCCの素晴らしさを感じました。
 来年の幹事はH9卒の香山さんです。きっと、あっと驚くコース案を立ててくれることでしょう。同期の方が少ないので大変でしょ
うが、期待しております。
 では、みなさん、またOBランでお会いしましょう。

【参加者リスト】

【走行データ】

[サイクルコンピュータによるデータ]
・5/31
伴走車のためデータなし

・6/1
走行距離:43.85km
走行時間:2h55'35"
(実際に走行している時間、停車中は含まれません)
平均速度:14.9km/h
最高速度:51.2km/h

・6/2
走行距離:32.55km
走行時間:1h21'08"
平均速度:24.1km/h
最高速度:55.8km/h


[GPSによるデータ]
・5/31
最低高度:726.4m
最高高度:1138.3m
移動距離:39.35km
行動時間:4h04'04"
平均速度:9.67km/h

・6/1午前
最低高度:775.9m
最高高度:802.4m
移動距離:11.68km
行動時間:2h07'42"
平均速度:7.99km/h

・6/1午後
最低高度:782.2m
最高高度:1695.9m
移動距離:29.62km
行動時間:4h15'07"
平均速度:6.99km/h

・5/31-6/1の2日間
積算下降高度:900m
積算上昇高度:1858m

・6/1午後
最低高度:828.3m
最高高度:1814.6m
移動距離:36.30km
行動時間:2h36'52"
平均速度:13.88km/h
積算下降高度:1123m
積算上昇高度:360m